Hasegawa 1/24 三菱 ランサーEX 2000ターボ “1982年 1000湖ラリー”第4話 ダッシュボードの作り方
- 2021.07.19
- ハセガワ ランサーEX2000 ターボ ラリー
リアルなダッシュボードの作り方、教えます。
最初に出来上がりの状態からご覧ください。
ダッシュボードの仕上がりがこれです。
どうでしょうか。
すでにyoutubeのほうでは8千再生越えで、110を超える高評価。
(これは、僕の動画の中ではかなりの反響なのです・・・。)
かっこいいですよね。
飾り気名のないパネル周りと、昭和レトロ感あふれだすエアコンの調整つまみ。
そして助手主席のでっかいメカ。
今回はこのダッシュボード塗装のコツを書いていきます。
コツその1:黒のトーン分け
ダッシュボードはおもに黒と灰色で塗装します。
灰色はドアパネルなどと共通の内装色で、黒はエアコンパネルとかメーターパネルの色です。
では、順を追ってみていきましょう。これがキット成型色、無塗装の状態です。
全体を黒のサーフェイサーで下地を作り、中央のパネルにつや消し黒を吹き付け。
助手席側のパネルにはセミグロスブラックを吹いてあります。
ここからそれぞれの場所をマスキングして、灰色を塗装します
灰色塗装をした後がこれ。
使用されている色の要素は黒と灰色の2つですが、2色で塗ってしまうと実物感のないのっぺりした印象になってしまいます。
模型を作っていると良く「情報量を増やすとリアルになる」といわれますよね。
つまり同じ色でもトーンの違うものを使うことで、情報量を増やすということです。
トーンとは?
本来は「色調」ということになりますが、今回はツヤの違いをさしています。
つや消し黒、半つや消し、ツヤありの3つです。それぞれフラット、セミグロス、グロスと呼ばれます。
今回、「トーンをかえる」ところは、メーターパネル、エアコンパネル、助手席、エアコン吹き出し口ということになりますね。
分けラインは絶対死守。
塗装全般に言えますが、塗分けラインは絶対死守しないといけません。
塗分けというのは、1つのパーツを複数の色を分けて塗装することで、
あたかも複数の部品が組み合わさっているかのようにする作業です。
しっかりとしたマスキングが必須です。
模型は「本物らしさ」の追求です。
ですが、プラモデルがすべて本物と同じ部品構成ってわけにはいきません。
本物では別素材の別部品で構成されているものでも、模型では1つのパーツで成型されていて、モールドが彫ってあるだけ、ということのほうが多いです。
そういった場所を色を塗分けることで、まるで別部品を組み合わせているかのように表現するのが、塗分け、という作業なのです。
時にはこんな小さなパーツもマスキングしなければいけないです。
塗分けラインを越えて色がはみ出してしまうと、別部品のはずのものが1つだったことが目立ってしまい、一気に「ニセモノ」感がでてしまいます。
コツその2: 助手席メカの色
次にこだわったのは助手席メカです。
これですね。助手席のダッシュボードにボコっと無骨に取り付けられた装置。
距離とかを計算するんでしょうか。計算機のようなテンキーがありますね。
これ、実際の説明書の指定色はブラウンです。おそらく実車のメカがその色なんだと思います。
しかし、全体がグレーと黒のなか、茶色ではどうしても存在感が出ないと思いました。
模型では、あえて本物とは違う色にして際立たせる、という演出をすることでよりリアルになることがあります。
それは、ときに誇張であったり、ときにデフォルメであったりします。
模型は本物をただ忠実に縮尺を小さくしたもの、というわけではないのです。
本物とちがうことで、より本物らしくなる。これぞ模型の真骨頂だと思うわけです。
※ファンタグレープのキャッチコピーが、「グレープよりグレープ」というのは、きっとそういうことなんだと思います。
塗装の様子を順を追ってみていきましょう。
1つのパーツを、計算機っぽい部分と土台の部分、2つの部品からできているように塗装で表現します。
さきほどの「塗分け」による表現です。
まずは全体を艶黒にします。
土台の部分を艶黒にしたい、ということと、メタリック塗装の下地はできる限り平滑なほうがいいためです。
さらに金色に深い発色を持たせる意味でも下地は艶黒がベストでした。
計算機っぽい部分と土台部分をしっかり分けるように丁寧にマスキングをしていきます。
細かく切ったマスキングテープで隙間を埋めるようにマスキングするのですが、重ねる数が増えると、その分厚みが出てテープが浮き上がってきやすくなります。
そういったところは、マスキングゾルで補強しておくとよいです。
こんな感じですね。
ここにゴールドを吹き付けるとこんな感じ。
マスキングを剥がして、塗分けラインをチェック。
どうでしょうか?
1つのパーツなのに、あたかも2つの部品が組み合わさっているかのように見えますよね。
塗装のコツは、こういった塗分け部分などのメリハリだと思います。
塗装面の平滑さや色合いももちろん重要ですが、塗分けのラインがずれていたり、はみ出したりしていると、おもちゃっぽさが出てしまいます。
そうすると、せっかく頑張った塗装も効果が半減しちゃいますよね。
そうならないためにも、(地味な作業ではありますが)マスキングはしっかり行いましょう。
ゴールドを選んだ理由
茶色を誇張して金にしました。
メカ→金属→昭和→真鍮→ブラスっぽい→もっと派手に→じゃ、ゴールドで。
という思考のながれでした。
誇張とか本物より本物らしく、とはどういうことなのか?
僕なりの考え方ですが、模型の目線で見たときのリアルを考えること、だと思います。
どういうことかというと、1/24にした瞬間に実物を見る目線や距離感では見れなくなるわけです。
車を1/24にするということは、自分が巨人になるということ。
巨人の目で見た模型を、実車を見るようにいくつかの情報は脳内変換されます。
その脳内変換をよりやりやすくすること、気づきやすく、想像力を高めやすくする作業が、
「誇張やデフォルメ」による「本物より本物感」なのだと思います。
コツその3:デカール
最後はデカールです。
これはなにもダッシュボードに限ったことではないですが、情報量が爆発的に上昇します。
最も効果的なデカールは?
今回のダッシュボードでいうと、メーターパネルはもちろんですが、
最も効果的なのはエアコンの目盛りとメカのボタン類です。助手席にあるメカのデカールです。
こちらはエアコンのパネル部分。
よくみると「HOT」や「HEAT」、「UPPER」「BELOW」といった文字が書かれているのが分かります。
字が細かすぎてルーペで見るか、画像拡大しないと読めないです。
でも確かに字が書いてある。
読めないレベルだけどそこになにか目盛りと文字「らしきもの」がある。
これも一つの「誇張とデフォルメ」ですね。
これはこのキットの中で1,2を争う秀逸ポイントだと思います。
もう1つは助手席メカの目盛り。
これもしっかり色とと文字が入っている。拡大しないとわからないレベル文字。
これが、ただボタンのモールドだけのメカでは説得力がない。
想像力に頼りすぎている状態。実車の助手席メカを見たことがある人にしか想像できない。
でもここにこういったデカールが入ることで、なんとなくそれがボタンのようなものであることと、
なにかを表示するパネルのようなものが付いている・・・という想像を呼び込んでくれる。
このきっかけづくりをしてくれることこそが、ポイントだと思うのです。
もっと詳しい製作手順は動画でも!
いかがでしたでしょうか?
このキットの見せ場ともいえるダッシュボード製作。
詳しい製作手順はぜひ動画のほうでもチェックしてみてください!
このキットを作ってみたい!ってかたは、↓↓↓↓
-
前の記事
Hasegawa 1/24 三菱 ランサーEX 2000ターボ “1982年 1000湖ラリー” 製作 第3話 リアルなコクピットの作り方 2021.04.05
-
次の記事
ハセガワ1/24三菱ランサーEX2000ターボラリー 製作記 完成レビュー 2021.12.27