アオシマ 最新キット!1/24 楽プラ スナップカー SnapCarシリーズ スカイライン2000GT-R 1/32楽プラ版との徹底比較! シャシー組み立てまで編
- 2024.07.27
- 製作記
遂に発売された1/24スケールの楽プラ!
あれは確か、2023年の静岡ホビーショーだったと思います。
「接着剤不要、塗装不要の1/24スケールカーモデルを開発中」という発表を目にして、心が躍りました。
内装は楽プラ同様折り畳み式になるのかな?
タイヤはゴム?プラスチック?
シャシーは再現してほしいよね。
いろんな想像をしながら待ちに待ったキット、ついに発売されました!
革新的な最新キット、購入を迷われている方はぜひ今回の記事を読んでいってください!
1/24で接着剤無し、どんなもんなの?
本格的なキットに比べてどうなの?
気になっているけど購入に迷われている方も多いと思います。今回の記事を見ていただければ、内容物やクオリティもご判断いただけると思います!
動画もありますので、そちらも参考にしていただけると思います。
開封
さっそく中を見ていきましょう。
箱の外観はこんなかんじです。
第1弾はスカイラン 2000GT-R「ハコスカ」です。
シブいところからきましたね。
ボディカラーのラインナップは3種類で、今回作るのはレッドです。
あとは、シルバーとホワイトが用意されています。
ニッパーだけで作れる チャレンジしやすいカーモデル
1/32楽プラシリーズ同様、接着剤なしで組み立てられて、塗装しなくてもしっかり色分けされた完成品になる!という構成です。
フロアパーツは折り畳み式、メッキパーツも豊富で、ステアリングも切れる!
色分け成型+シールで塗装無しでもこの再現
完成見本の写真が載っていますが、確かに無塗装でこの仕上がりは満足感高いです。
そして、シールだけではなく、デカールもついてる!
やはり、1/24スケールで販売するということは、塗装仕上げ派へのアプローチも考慮されているんだと思います。
これはうれしい構成ですね。
1/32楽プラと並行製作
今回は、アオシマアンバサダーOBということで、「楽プラSNAP CARアンバサダー」としてアオシマさんからキットを提供していただきました!
1/32楽プラSNAP KITと同時製作をして、相違点を楽しみながら製作記を展開していきたいと思います。
キット内容物の比較
2つ同時に箱を開けてるって、ちょっと贅沢な気分。
まずはキットの内容物を広げてみています。
ぱっと見た感じ、当然1/32のほうがパーツも小さいですし、パーツ数も少ないのですが、1/24SNAPCARのほうも、おなじ1/24スケールのカーモデルキットと比べるとランナー数が極端に少ないことがわかります。
1/24スナップカーの中身
袋の数で言うと、ボディーも含めて5袋。
ランナー数で8枚くらいです。しかもランナー1枚のパーツ数も少ないですね。
特筆すべきは、「ゴム製タイヤ」と「水転写デカール」ですね。
これは1/32シリーズにはない装備です。
あと、ボンネットが別パーツになっていますね。これについては、ボディー組み立ての時に理由をご説明いたします。
1/32スナップキットの内容物
こちらは1/32楽プラ定番の構成ですね。
ボディ、シャシー、内装、ホイール、クリアパーツ、メッキパーツのランナー構成。1つのランナーに多くて3つか4つのパーツというシンプル構成。
説明書も小さく縮小してあって、プラモデルをさらにミニチュア化したような楽しさがあります。
組み立て順の違いから、2つのキットのコンセプトを考察する。
次の写真は2つのキットの説明書の最初の工程のページです。
左が最新キット1/24スナップカー、右がお馴染みの1/32楽プラスナップキットの説明書です。
1/24スナップカーは足回りから作る手順になっていますが、1/32楽プラスナップキットはまず最初にボディーのシール貼りから始まり、ボディの組み立てへと進みます。
多くのカーモデルは、足回りの組み立てから始まると思います。
なので、1/24スナップカーの手順に違和感はなくて、どちらかといえば1/32楽プラ・スナップキットの手順が珍しいような部類かな、と思います。
ただ、同じ「楽プラ」ブランドで展開するスナップカーなので、1/32スナップキットのようにボディから仕上げる手順を踏襲することだって選択肢としてあったはずです。
1/32楽プラのスケールアップ版とは違う、という気概
それでも、足回りから作る「カーモデルの常套」手順を選択した、というところから、この1/24スナップカーのコンセプトがうかがえるのではないかと思います。
つまり、「1/24スナップカーは、1/32楽プラ・スナップキットの延長とは違う」という気概です。
1/24スナップカーは、あくまで1/24スケールのカーモデルを接着剤無し・塗装無しで仕上げる、という到達点を目指しているのだと感じるわけです。
製作開始!
1/24スナップカーを組み立てて行きます。
今回は、素材の魅力をご紹介するため、無塗装&シール仕上げで行きます。
ブレーキディスクパーツが分割されている!
下の写真は、フロントホイールを受けるパーツとブレーキディスク&キャリパーパーツです。
ディスクとキャリパーがしっかりモールドされています。
塗装を意識して分割しているわけではなさそう(組み立て設計上の理由で分割しているんだろうと思います)ですが、分割されていることで塗装する人にはやりやすいと思います。
これを貼り合わせてホイールを受ける部分になります。
ここがすごい!フロントステアリング機構
ホイール受けパーツを、下のような形でステアリング機構のユニットとして組み立てます。
オイルパンとロワアームのモールドが施されたパーツに、ホイール受けパーツをつないで、そこにステアリングアームパーツを接続する。
これを、シャシーにハメ込む形なのですが、これもかなり考え抜かれた設計になっています。
シャシーは、下の写真のように、フロントサスペンション部分がごっそり欠けているような作りになっていて、そこに大きなダボ穴が設けられています。
このダボ穴にポリキャップを入れて、先ほどのフロントステアリング機構のユニットを挿しこむ、という作りなのです。
説明書ではシャシー側にポリキャップを入れるように書いてありましたが、狭くて入れにくかったので、挿しこみ側にキャップを付けてダボに挿しました。
組み立て後に車高選択できて、ステアリング機構も保つということ。
説明書では、この部分になります。
F8のパーツは、いわゆる「スペーサー」ですね。
そう、このキットは1/32と同じく、車高を2パターン組み替えられるようになっています。
車高は普通とローダウンなのですが、2者選択式ではなく、あとから組み替えられるようにするためにわざわざステアリング機構のユニットごと取りはずせる作りにしてあるわけです。
ステアリングが切れるようにすることと、車高を選択して後からでも組み替えられるようにする、さらにパーツ数は少なく、接着剤を使わず、組み立て工程も簡単にする・・・
設計された方の苦労、はかり知れませんね・・敬服いたします。
フロントステアリング機構、取り付け
ノーマル車高で組み立てた状態が、下の写真。
車高が変わると、ステアリングアームの位置も上下するので、オイルパンごと1つのユニットにして、どちらの車高設定で組み立てても違和感がなく、且つ組み立て、組み換え手順が簡単。
これは、ぜひ実際に組み立てて体験していただきたい斬新な機構です。
シャシーのモールドについて
1/32楽プラは、マフラーやらエンジンの底面、サスペンションユニットなどのモールドは一切排除するという気持ちいほど潔い戦略でしたよね。
1/24楽プラは、しっかりとモールドが施されています。
次の写真でわかる通り、同じスケールのザ・モデルカーシリーズと遜色のないレベルだと思います。
塗装してしっかり仕上げたくなるモールドですよね。
ここも、このキットが「ディスプレイモデルの組み立てを簡単にする」というコンセプトだと感じられる部分かと思います。
ホイールとタイヤ
タイヤにはしっかりトレッドが彫られているし、ホイールのモールドも精密。
モデルカーシリーズ用のカスタムホイールの流用も今後検証してみたいところです。
後輪組み立てとマフラー
後輪は1/32と同じく、シャフトの位置を差し替えて車高調整
後輪は金属シャフトにホイールをつなぎます。
車高は、シャフトを通す高さで変更します。
メッキパーツのゲート跡考慮も秀逸!
D7はマフラーですが、メッキパーツで用意されています。
下の写真のように、シャシーパーツにはめ込むことで、エキパイモールドとつながっているように見える構造ですね。
次の写真が、実際にマフラーをハメ込んだ後の状態。
メッキパーツのゲート跡、見えませんよね。
ゲート跡は結構しっかり残るのですが、組み立てることによって見えない位置に来る、という考慮がされています。
いわゆる「アンダーゲート処理」ですね。
マフラーに関しては、パーツの接合部にゲート跡が来るのではなく。タイコの左右両サイドにゲート跡が残ります。
ただ、シャシーに組み込んだときに、ゲート跡がシャシーのくぼみに隠れて見えなくなる、という作りになっています。
シャシーの仕上がり
フロントステアリング
ステアリング機構ごと外せるのに、こうしてみると違和感がないですよね。
しっかりステアリングも切れます。
パーツの嚙み合わせは、すこしキツいくらいしっかりしています。
最新金型で初期生産ロットということもあるかもしれませんが、ぐらついたり、ステアリングが固定できない、といったようなことは全くありません。
むしろ、ちょっと固めなので、ステアリングを切るときは両方のタイヤをもって操作したほうが良いです。
リアタイヤ、マフラー
後方からとった写真。
エキゾーストパイプからマフラーにつながるところもきれいですし、マフラーのメッキパーツもしっかりアクセントになっています。
タイヤの溝もきれいにモールドされているので、リアルさが際立ちますね。
1/32楽プラ・スナップキットのシャシーと比較
シャシー・シャフト・ホイール&タイヤ一体パーツ
もはや伝統的スタイルと言ってもいいくらい定着した、1/32楽プラのシャシー構成。
ボディと内装を重視して、組み立てやすく堅牢で車高変更もやりやすいスタイルとして、気持ちいほどに潔いシャシー再現のオミットされています。
シャシーのモールドは潔くまっ平。だからこそ、気持ちいい!
2つのキット、シャシーを並べてみます。
1/32楽プラはまっ平。タイヤはプラ製でトレッドはありません。
外側から見える部分で、マフラーがモールドされているだけです。
「やらない」ことが「やること」に勝る。設計とは貫くこと。
これって、本当にすごいことだと思います。
製品開発、商品開発って、素人の私などは「あれもやりたい」「これもやりたい」ってついついなんでもかんでも入れ込もうとしちゃいたくなります。
でも、このシャシーを見ると、何を優先すべきか=なにを除外するか、ということに対してしっかりとした矜持と覚悟を感じます。
たとえば、これで、中途半端にサスペンションやエキパイのモールドがあったりしたら、と想像してみます。
なんとなく、安っぽく感じてしまうかもしれませんし、物足りなく感じたりするかもしれません。
なぜなら、1/32楽プラのボディと内装、ホイールのディテールは凄まじく高クオリティだからです。
ボディや内装があのレベルなのに・・・ってなってしまうに違いないです。
それなら、いっそ何もしない。「AOSHIMA」とロゴが打ってあるこのスタイルのほうが、強弱がしっかりしていて、満足感が高くなるわけです。
シャシーとタイヤ。足回りで比較
似て非なる存在。みんなちがって、みんないいキット。
同じ「楽プラ」ブランドを冠した新シリーズ「1/24スナップカー」
接着剤無し・無塗装で作ることができる、という点は「1/32楽プラ」とコンセプトをともにしているものの、それ以外はほとんどが「1/24スナップカー」独自の考え方で設計されていることがわかります。
下の写真は、1/32楽プラ・スナップキットのシャシーです。
こうして横からアップにして撮影すると、ディテール感は1/24と変わりがないです。
むしろタイヤ側面のトレッド感はこちらのほうがリアルにも思えます。
次の写真は1/24スナップカーの側面アップ。
大きいだけじゃなく、ゴムタイヤの質感やステアリングを切ることによる躍動感がありますね。
1/32では出せなかった表現部分だと思います。
内装の組み立て!
お待ちかねの1/24スケール版「折り畳み式内装」
今回、もっとも注目して待っていたのはこの「折り畳み式内装」
1/32楽プラシリーズで採用されている形式で、ドアトリム、ダッシュボード、フロアが1枚のパーツになっていて、パタパタと折りたたむことでバスタブ形式の内装になる、というものです。
内装の組み立て、地味に難所なんですよね。
ダッシュボードやドアパネルの接着位置があいまいだったりして、イケてる!って思っていても、最終工程でボディーを合わせるときに角度が合わなかったり、最悪ボディーがしっかり被せられずに無理やりハメようとして破損・・とか(+_+)
その点、この形式は非常に簡単に、矛盾なく組み立てられるので、「これをぜひ1/24で!」という声はたくさんあがっていました。もちろん、私もその一人。
1/32楽プラの内装と比較
下の写真、左側が1/32楽プラ、右が1/24楽プラです。
もともと、1/32楽プラの内装モールドが非常に精細なので、再現度はどちらも同等です。
大きな違いは、1/24はシート、シフトレバー、サイドブレーキレバーが別パーツに分割されていることです。
サイズが大きくなったことでパーツ成型上の問題もあるのだと思いますが、床も含めて塗装派にとってはシートが別であることは非常にありがたいですね。
これ、バケットシートとかカスタムパーツ展開してくれたら面白そうですよね。
ダッシュボード。メーター類はシールが秀逸。
下の写真は、ダッシュボードにシールを貼った後の状態です。
水転写デカールも同梱されていますが、シールでもこのレベルの高精細再現度です。
ヘビーユーザーでもわりと満足できるレベルだと思います。
木目調の部分もシールで再現されていますので、本当に無塗装でもしっかりハコスカの運転席です。
内装の精度は、さすがアオシマ。
下の写真は、1/32と1/24両方シールを貼って、内装を組み立てた後の状態です。
ハンドルのスポークにもシルバーのシールが用意されていて、まるで塗装したかのような情報量の仕上がりです。
1/24の仕上がりはもちろん素晴らしいのですが、1/32のほうもハンドルのスポークにシルバーのシールが用意されているっていう細かさに、アオシマの狂気を感じます(笑
「楽プラ」ってうたっているのに、シールが細かくて、全然「ラク」じゃないんですよね笑。
「楽しい」ではありますけどね、ラクではないですよ。
シールで「ラク」をさせないことで生まれる「達成感」という楽しさ
これは、ボディーのシールでも同じことが言えますが、シール貼りの工程でほどよい負荷を与えてくれることで、完成の時の達成感が増幅されるんだと思います。
ちょっとしんどい思いをさせて、達成感に病みつきにさせるというアオシマの戦略的狂気(笑
でも、割とこの想像は、ど真ん中じゃないにしても、いい線行ってるように思います。
あまりに簡単すぎると、ミニカーと同じになって、コレクション性はあるかもしれませんが「プラモデル」として購入するところに繋がらない。
「自分で作った」「ちょっと大変なところを乗り越えた」「ここのシールちょっと曲がったんだけど、そこがいいんだよな」
達成感と愛着を沸かせるために、「え?これ全部貼るの?」とか「こんな小さいシールをこんな狭いとこに貼るの?」みたいな難関を用意してくれているのでは?という、私の勝手な想像です。
シャシー&内装、完成!
足回り、内装製作完成しました!
今回はここまでにして、次の記事では、ボディーのシール貼り、外装品の取り付け、完成までをお送りします!
YouTubeチャンネルで動画も公開しています!
シャシーから内装組み立てまでの工程を前編として動画を公開しています!
写真と文章では伝えきれなかった細かい部分も動画でチェックしていただけます!
ぜひご覧ください!
以上!
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