タミヤ・イタレリ 1/72Mi-24 “ハインド” 製作記1

タミヤ・イタレリ 1/72Mi-24 “ハインド” 製作記1

旧ソ連の傑作機 ハインドを作る。

今回は、ソビエト連邦の攻撃ヘリコプターであるMi-24ハインドのプラモデル製作に挑戦します。
Mi-24ハインドは、その独特のデザインと圧倒的な存在感で、多くのモデラーにとって魅力的な対象です。

まず、プラモデル製作に着手する前に、キットの内容を確認しましょう。

パーツがすべて揃っているか、説明書を見ながらチェックします。
また、製作に必要なツールや塗料も事前に準備しておくことが大切です。
ニッパー、デザインナイフ、ピンセット、ヤスリ、接着剤、そして塗装用のエアブラシや筆などを揃えましょう。

次に、作業スペースを整えます。明るい照明と広い作業台を用意し、作業しやすい環境を作ることが重要です。これで、いよいよMi-24ハインドの製作に取り掛かる準備が整いました。

説明書

ズベズダ版1/48ハインドも並行製作していますので、そちらの記事もぜひご覧ください。

デカール

塗装のパターンが3つ用意されています。

旧ソヴィエト連邦空軍、旧チェコスロバキア空軍、ドイツ空軍です。

ハインドがドイツ空軍?

東西ドイツ統一の舞台裏

物語は冷戦時代に遡ります。当時、東ドイツ(ドイツ民主共和国、GDR)はソ連の影響下にあり、当然のごとくソ連製の兵器を使用していました。

その中でもMi-24ハインドは、GDRの航空部隊にとって象徴的な存在でした。
Mi-24は「戦場の戦車」とも呼ばれ、その頑丈さと多用途性で知られていました。
搭載されたミサイルや機関砲で地上部隊を支援し、兵員輸送も可能なこのヘリは、GDR軍の誇りでもあったのです。

東西統一とMi-24の行方

1990年のドイツ統一に伴い、東ドイツ軍の装備も西ドイツ(連邦ドイツ共和国、FRG)に引き継がれることになりました。

ここで注目すべきは、西ドイツがそのままMi-24を受け入れ、使用したことです。
統一ドイツ空軍は、これらのヘリを一時的に運用し、既存のNATO標準装備との整合性を図りつつ、その運用技術を学びました。

コクピット仮り組み

なぜMi-24を使い続けたのか?

ドイツ統一後、Mi-24がドイツ空軍に配備され続けた理由はいくつかあります。

まず、コストの問題です。新しいヘリコプターをすぐに大量導入するのは莫大な費用がかかりますが、既に保有していたMi-24を使い続けることで、コストを抑えることができました。
また、Mi-24の高い戦闘能力も評価されていました。特にその頑丈な設計と多用途性は、西側のヘリにはない魅力がありました。

兵員輸送スペースの仮組

Mi-24の運用とその終焉

Mi-24は統一後もドイツ空軍で数年間運用されましたが、最終的にはNATO標準の装備に置き換えられていきました。それでも、このソ連製のヘリがドイツの空を飛び続けた期間は、冷戦後のヨーロッパにおける興味深い軍事史の一章を形成しています。

Mi-24がドイツ空軍で果たした役割は、ただの歴史的な逸話に留まらず、冷戦後のヨーロッパの軍事統合の過程を象徴しています。

このヘリがもたらした技術的な経験と運用ノウハウは、ドイツ空軍にとって貴重な資産となりました。

内装塗装完了

そんなこんなで、内装の塗装を終えました。

コクピット内部のパネル類、頑張りました。

ここは筆でコツコツ頑張りました。
実際のコクピットがどうなっているかはあまり気にせず、イメージと模型的見映えの演出で赤青黄色のボタンにしました。

兵員輸送スペースの話

Mi-24は、その独特なデザインと多用途性で有名ですが、その中でも特に興味深いのが兵員輸送室のコンセプトですよね。

輸送スペース、これですね。

塗装と組み立て後の兵員輸送スペース

兵員輸送と攻撃ヘリの融合

Mi-24ハインドの設計は、従来の攻撃ヘリコプターとは一線を画すものでした。ソ連が目指したのは、攻撃力と兵員輸送能力を一体化させた「空飛ぶ歩兵戦闘車両」でした。従来の攻撃ヘリは、地上部隊の支援に特化していましたが、Mi-24は直接兵員を戦場に投入できるという大きなアドバンテージを持っていました。

コンセプトの背景

Mi-24の兵員輸送室は、最大8名の兵士を収容可能で、迅速な展開が求められる現代戦において非常に有用なものでした。

このコンセプトの背景には、冷戦時代のソ連軍の戦略思想があります。
ソ連軍は、敵の後方に迅速に部隊を展開し、奇襲攻撃を仕掛けることで戦闘の主導権を握ることを狙っていました。そのため、Mi-24はまさにその戦略に応えるべく設計されたのです。

ズベズダ版1/48と並べてみます。

兵員輸送室の設計

兵員輸送室は、Mi-24の中央部に配置されており、後部のスライドドアから兵士たちが迅速に乗り降りできるようになっています。

内装はシンプルながらも頑丈で、過酷な戦場環境に耐えられるよう設計されています。
また、兵員輸送室の窓には銃眼が設けられており、移動中も兵士が外部の脅威に対処できるようになっています。

これにより、地上部隊と連携しつつ、ヘリ自体も防御力を発揮することができます。

多用途性の確保

Mi-24のもう一つの特徴は、その多用途性です。兵員輸送以外にも、物資輸送や負傷兵の搬送にも対応できるよう設計されています。

これにより、戦場での柔軟な運用が可能となり、さまざまな任務に対応できる万能なヘリコプターとして重宝されました。

実戦での活躍

実戦においても、Mi-24の兵員輸送室は大いに活躍しました。アフガニスタン紛争やその他の紛争地域で、Mi-24はその堅牢な設計と強力な火力を活かし、多くの兵士を戦場に迅速に投入しました。特に、山岳地帯や難地形での運用において、その性能が発揮されました

このヘリコプターの設計は、攻撃と輸送の二つの役割を見事に融合させたものであり、戦場での多様なニーズに応えることができました。

Mi-24が現代の戦闘で窮地に追いやられる最大の理由とは?

つて戦場で猛威を振るったこのヘリが、なぜ今苦境に立たされているのか、その背景を探っていきましょう。

対空防御システムの進化

最大の理由は対空防御システムの飛躍的進化、と言えます。
ポータブルな地対空ミサイル(MANPADS)や高性能なレーダーシステムは、ヘリコプターにとって大きな脅威となっています。

Mi-24の設計当時には、これほどまでに高度な対空防御システムは存在しませんでしたが、現在では多くの国がこうしたシステムを保有しており、Mi-24は容易に撃墜されるリスクが高まっています。

機動性と防御力の不足

Mi-24は、その頑丈な設計と火力で有名ですが、現代の戦場では機動性と防御力の不足が目立ちます。
新型ヘリコプターはより軽量で機動力が高く、迅速に敵の攻撃を回避できる設計が求められています。

Mi-24は大型で重く、低空飛行時の機動性に欠けるため、敵の攻撃を避けるのが難しくなっています。
また、防御力においても、現代の攻撃に耐えるには不十分であり、最新の装甲技術や防御システムを備えたヘリに比べて脆弱です。

戦術の変化

最後に、戦術の変化もMi-24が窮地に追いやられる理由の一つです。
現代の戦争では、小規模で高度に機動する特殊部隊や無人機(ドローン)の活用が増えています。

これらの新しい戦術に対して、Mi-24のような大型ヘリコプターは対応が難しく、柔軟な戦術運用が求められる現代の戦場ではその存在感を薄れています。

歴史背景を振り返る模型の楽しさ

作るだけが楽しみじゃない

プラモデルや模型の楽しさは、単に「作って」「飾って」というだけではないですよね。
模型を通して、実物の構造を体感して、これが生まれ人気を博した理由を学ぶことでその当時の時代背景や技術力、文化などに思いを馳せる…。

実物を模型化することは、概念を模型化することなのかもしれない。

そうしてみると、「モノを模型化する」=「概念を模型化する」と言えるかもしれませんね。
これは、煮詰めていくと絵画や音楽、映画や小説と実は同じ根っこをもっているように思えます。

なんて、そうな大げさな話ではないですが

もちろん、いつもそんなことを考えてプラモデルを作っているわけでは全然ないので、ちょっとした言葉遊びではありますが、こうやって楽しさを広げていくこと自体がとても楽しい体験だと思います。

動画もやってます!

YouTubeチャンネルで模型製作の様子を公開しています。ぜひ見ていってください!