[解説]ITサービスマネージャ試験 2017年(平成29年)秋期 午後1 問2
- 2024.02.25
- ITサービスマネージャ試験対策 IT関連
問題管理と変更管理
出典:平成29年度 秋期 ITサービスマネージャ試験試験 午後1 問2
当ページには問題の本文および設問は掲載しておりません。
情報処理技術者試験の過去問ダウンロードページからPDFをダウンロードしていただきますようお願いいたします。
概要
- 問題を検知して、解決のために変更をする
- 問題管理のプロセスと変更管理のプロセスがある。
- 問題管理は識別から終了まで 問題管理DB
- 変更管理は記録から実施まで
- RFCを起票 RFC管理項目
- CABが評価 毎週火曜日
問題文の構成と要約
序文
問題の舞台となる会社、登場人物の説明
- 金融機関のK社。
- 情報システム部が顧客管理システム運用
- 情報システム部が問題管理と変更管理を行う
- ITサービスマネージャはE氏
K社の問題管理プロセスの説明
表1「問題管理プロセスの手順」が提示されている
問題管理のフレームワークに関するオススメ参考書
<要約>
問題管理プロセスの手順を示している。
問題管理の結果、変更が必要になった場合の道筋を改定ある。
RFCの起票が必要で、RFCの項目が提示されている。
開催日が明示されていること、RFCの優先度によって「臨時開催」があることがポイント
[K社の変更管理プロセス]
<要約>
変更管理の手順を示している。
変更諮問委員会(CAB)についての説明にフォーカス 事前通知や実施のタイミング
変更実施の後工程にも注目
[問題管理の現状]
<要約>
- 問題管理DBで管理している
- 解決率の計算式が提示される
- 情報システム部長から「早期に解決できる」「早期に解決すべき」問題の解決率報告を求められる
[月次集計プログラムの問題とその対応]
<要約> 前半「プログラムの問題」
- 月次集計プログラムP1と開発元Q社が登場
- P1は夜間バッチジョブである
- 夜間バッチジョブはオンライン処理開始前までに終わるべき
- P1に不具合があり修正パッチが提供されている
- パッチ適用後に「処理時間が長くなる」
「版」が変わることが改定ある。→「版」情報は「CMDB」というつながりに気づくこと
<要約>後半「その対応」
- P1は顧客管理のみで使用
- 計画の立案 「確認作業に合計5日必要」
- 最新版の適用 RFCの作成 「優先度を緊急にする」
設問ごとの解説
設問1 (1)
解答:根本原因
ポイント解説
表1の問題管理プロセス手順を参照する。
1識別 a 『未知の根本原因の検知』とある。
解答の原則として【本文中の用語を使う】のがポイントなので、模範解答は「根本原因」
「問題の原因」なども正答になると思いますが、「本文中の用語探し」を習慣化することはトレーニングになります。
設問1(2)
解答:変更の理由
問題文の中に解答ワードはありません。これは知識を確認する問題といえます。
ポイント解説
RFC、変更要求の7つのR
定期(Raised) | 変更を提起したのはだれか? |
理由(Reason) | 変更の理由は何か? |
見返り(Return) | 変更によって得られる見返りはなにか? |
リスク(Risk) | 変更に必要なリスクは何か? |
リソース(Resource) | 変更に必要なリソースは何か? |
責任者(Responsible) | 変更の責任者はだれか? |
関係(Relationship) | 変更は他のどの変更と関係しているか |
設問2(1)
解答例1:RFCを事前に確認し、リスクアセスメントを行い、結果をCABに提出する。
解答例2:代理者をCAB要員として登録し、代理者をCABに参加させる。
ポイント解説
解答に該当する本文中の用語や注釈はないので、一般論で回答する問題です。
CABに限らず、IT-BCP対策などでも「アサインした担当者が出席できない場合に備える」問題はよく出てきます。
「アサイン者が不在、出席できない」場合の対応策は「代替要員のアサイン」が王道です。
ただし、この問題は「事前に通知する」という文脈があります。
問題文にわざわざ「事前に通知」という状況を書いているということは、つまりなんらか問題の解答に使わせたい意図を感じられます。
解答例も「事前に確認して提出」パターンと「代理者の参加」が記載されています。
この時注意が必要なのは代理者の参加については、「事前に登録する」という文言をいれることです。
設問2(2)
解答:CMDBの記録を更新
ポイント解説
本文2か所の記載から解答文言を作ります・
①表2 RFC管理項目/5変更対象のCI
『版などCIの属性が必要な場合は属性情報を記入』
②表2 注1
CIの属性は構成管理データベース(以下、CMDB)に記録されている。
設問3
解答:原因が「特定できない」かつ、再発インシデントが「なし」のもの
ポイント解説
本文中のキーワードを探すと、『早期に解決できる または 早期に解決すべき問題』の報告を求めらているところにたどり着きます。
求められて「いない」ものを排除すればよい、と考えて、早期に解決できるものでもなく、すべきでもないものは?と考えると良いです。
原因の特定できていないもの≠早期に解決できる
再発していない≠早期に解決すべき
これを解答文としてつなげると、
原因が「特定できない」かつ、再発インシデントが「なし」のもの
となります。
設問4(1)
解答:速やかにCABを開催し、確認テストに5日の日数を確保する必要がある。
ポイント解説
「緊急」にすることに関連する箇所は、「問題管理プロセスの手順」に記載があります。
「緊急」にすると「CABが臨時開催できる」という趣旨ですね。
つぎに、なぜ「臨時開催」したいのか?を考えます。
「変更計画立案」の文面に『確認テストは・・・準備作業に2日、テスト作業及び確認作業に3日の合計5日の日数が必要』という箇所がありました。
10月20日の夜間バッチに間に合わせるために、10月19日までにP1を最新版にしたいという意図も記載されています。
解答として「間に合わせるため」と書きたくなるところですが、定期CABが17日に開催されるのではなぜ間に合わないのか、という穴がでてきます。
問題本文にわざわざ「日数」を記載していることもあり、求められる解答は「確認のための5日を確保」という主旨になります。
設問4(2)
解答:夜間バッチジョブがオンライン処理開始までに終了しない。
ポイント解説
明確に「処理時間が長くなる」と記載されているので、この点にはすぐたどり着けると思います。
問題は、解答として「質問に答えられているか」という点です。
「変更を実施することによって発生する可能性があるリスク」を説明しなければいけません。
「処理時間が長くなること」によって「具体的にどのようなリスクが発生するか」です。
問題本文に『夜間バッチジョブはオンライン処理開始までに終了する必要がある』と記載があります。
この条件を守れないことが、「発生するリスク」なので、
夜間バッチジョブがオンライン処理開始までに終了しない。
となります。
以上
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